PPTって何ですか?
今回は美容師さん向けの内容になります。何卒、ご了承下さい。
まずPPTが何か分からない人もいるかと思いますので、PPTとは何かを説明させて頂きます。
タンパク質はアミノ酸が結合して出来上がったものです。ただタンパク質は水にも油にも溶けません。

それを化粧品に配合できる形。つまり水や油に溶ける状態にしたものがPPTと言われるものです。
一般的にはタンパク質を水に溶ける状態にする「加水分解」を行います。全成分表示でいうと「加水分解~」となっているものがPPTというものです。(例外もあります。)
髪の毛は、ほぼケラチンタンパク質というもので出来ているためPPTの中でもケラチンPPTは無くてはならないものです。
その為、補修をするにはケラチンPPTは欠かせません。ちなみに肌の表面や爪もケラチンタンパクで出来ています。

パフォーマンスを向上させる処理剤
パーマやカラーなどのダメージやデザインを向上させる為、トリートメントの効果を高める為にPPTが配合された商品「処理剤」を使用します。
でも勘違いしている美容師さんもいて処理剤が化学処理の結果を阻害すると思っている人もいます。または勘違いさせる様なつくりの商品もあります。
処理剤は液体の事が多いのですが、液体を塗布するだけでは、あまり意味がありません。しっかりと浸透させるための技術が必要です。それはクリームの場合も一緒です。

または質感を良くするだけで補修効果があまりないものもあります。PPT以外でもCMC効果のあるものもあるのですが、この話は別で行います。
質感だけで補修効果が見込めないものは阻害してしまうだけのものも残念ながらあります。
判断する方法として、テスト的に塗布して流した後、乾かすという事をやってみると良いかと思います。極端に使用するのであれば低温アイロンを使用すると早く分かるかもしれません。

PPTはタンパク質の機能があるので熱を加えると基本的には髪の毛に定着します。定着した際に硬さが出るなどの変化が生まれるはずです。
あとは濃度を判断することが必要です。濃いものが絶対に良いという事はありません。
濃いと浸透させにくいので希釈して複数回に分けて浸透させるという方が結果が出る場合もあります。
ただ極端なダメージには濃いものを使用しないと補修しきれない場合もあります。
そういった意味では処理剤は美容師さんの腕が試される一品かもしれません。ただ良い処理剤を使いこなすことが出来れば誰も真似が出来ない独自の価値を得られるはずです。

処理剤は何が良いのか?
先ほども書きましたが、補修するにはケラチンが良いです。ただ分子量や油が付与されたもの、イオンが付与されたものなど種類は様々です。
そしてケラチンだけではなくコラーゲンやシルク、植物系だとダイズやエンドウ、コメなどもあります。

一般的な効果でいうとケラチンはハリコシ、コラーゲンは潤い、シルクは指通りです。植物系のものは保湿感が強い傾向にありますね。
それぞれの特徴があり一長一短はありますが、塗布して悪いものはありません。
でも髪の毛はケラチンタンパクで出来ているんですよね?他のタンパク質は必要ですか?という質問も頂きます。
ケラチンが合う人「細毛の人」「ボリュームが出ない人」などエイジング毛の人には特にケラチンは必要です。
本来、ダメージ毛にケラチンは必要ですが、元々の自分の髪の毛が好きではない人もいると思います。
もっと柔らかったら、もっと指通りが良かったら、もっと潤いがあったらなど髪の毛の理想は人それぞれだと思います。

補修にはケラチンが良いですが、PPTであれば補修効果はケラチンほどなくても、それぞれ補修効果はあります。タンパク質を分解したものですから。
髪の毛はケラチンなのでケラチンを補うのも良いですが、その人にとって何が重要かを考えて補ってあげる事の方が重要だと思っています。
ぜひお客さんに合うPPTを選定するために様々なPPTを試してみてください。